神澤先生に聞く!そもそも虫歯とはどういうもの?対策の仕方も要チェック

これまでの人生において、一度も虫歯になったことがないという人は少ないでしょう。
それだけメジャーな病気であるにもかかわらず、その詳細を把握している人は多くありません。

 

正しい知識を身に付けることで予防できる可能性が高まる

そもそも歯が黒くなる理由する知らないというケースがほとんどです。
歯科医院に行けば治療してもらえるため、あまり深く考えなくても困ることはないでしょう。
とはいえ、自分の体のことなので知っておいて損はありません。
それどころか正しい知識を身に付けることで、予防できる可能性を高くできると神澤光朗先生は力説しています。

それほど難しい話ではありませんが、プラークの概念を知っていないと理解しにくい場合があります。
細菌が関係していることは分かりやすいですが、勘違いしやすいポイントもあるので注意しなければなりません。
一般的に細菌というと悪い印象を持たれやすいですが、実は歯に関しては諸悪の根源というわけではないのです。
そのため、先入観を持たずに何が原因なのかよく考える必要があります。

 

細菌が食べ物の残りかすに対する働きかけ

問題になるのは、細菌が食べ物の残りかすに対する働きかけです。
そこにある糖質を吸収しようしたときに、プラークが盛んに作られることになります。
食べかすのことをプラークだと思っている人も見受けられるので注意してください。
そうではなく細菌が固まった状態のものであり、食事が終わってから8時間以降に形成されていきます。

ここまでの流れだけでは、まだ虫歯には結びつきません。
直接的な原因となるのはプラークが放出する酸です。
プラークは流動的に動き回っているわけではなく、一般的には歯の表面にしっかりと付着しています。

それだけなら人畜無害といえますが、実際には吸収した糖質をエサとして成長していくのです。
糖質は人間にとって重要な栄養ですが、同じように細菌にとっても大切な栄養となっています。
次々と増殖していき、その過程で酸を撒き散らしていくのです。

 

酸が歯にとって非常に大きな脅威に・・・

その酸は歯にとって非常に大きな脅威となってしまいます。
歯の表面はエナメル質で覆われていること知っているでしょう。
エナメル質を過大評価して、歯をしっかり守ってくれていると考えている人もいます。

しかし実は、プラークの出す酸は簡単にエナメルを溶かしてしまのです。
溶けてしまうと表面だけでは済まず、象牙質が侵食されていくことになります。
そのまま放置していると神経にまで達してしまいますし、最終的には歯の根もとにまで悪影響を及ぼしてしまうでしょう。

これを聞いてとても恐ろしいと感じたかもしれませんが、酸がもたらす脅威はそれだけでは済みません。
歯の根にダメージを与えることで、膿が形成されることがよくあります。
歯を痛くて抜いてもらったときに、そこに袋がぶら下がっているのを見たことがある人もいるでしょう。

 

顎にまで影響が及んでしまう恐れがある

それこそが膿がつまった袋であり、激烈な痛みをもたらしていた存在というわけです。
これを放置していると大変なことになるので注意してください。
歯だけの問題では済まずに、顎にまで影響が及んでしまう恐れがあります。

そこに感染が生じることで別の病気に発展するケースは珍しくありません。
場合によっては、細菌が血液中に入ってしまい、体中に被害が起こるようなケースもありえます。
そのような話を聞くと、自分たちで対策をするのは難しいと感じる場合もあるでしょう。

確かに完璧に予防するのは困難ですが、適切な取り組みによってリスクを軽減することは決して不可能ではありません。

 

できるだけ歯石を残さないようにすること

ポイントになるのは、できるだけ歯石を残さないようにすることです。
歯石に関しても名前は知っているけれど、正体については把握していない人が多く見られます。
実はプラークの死がいこそが歯石であり、それが歯に付着して固まることで形成されるのです。

正確には死んだ後に石灰化し、それが表面や隙間に強く絡みついています。
それを作らないことが大切ですが、実は自分で取るのは容易なことではありません。
だからといって放っておくと、そこにプラークがさらに溜まっていくという悪循環に陥ってしまいます。
そのため歯磨きだけでなく、歯科医院で定期的に除去してもらうのが望ましいです。

また、口内環境は常に虫歯になりやすいわけではなりません。
普段はほぼ中性ですが、少しだけ酸性に近い状態になっています。
何かを食べると、これが一気に酸性の状態になってしまうのです。
酸性になるとエナメル質の防御力が下がってしまい、カルシウムが流れ出る状態になります。
そうして虫歯になりやすい環境ができあがってしまうというわけです。

 

まとめ

このメカニズムを知ったところで、一般人にはどうしようもないのが実情となっています。
しかし視点を変えることで、リスクを減らすことは不可能ではありません。
虫歯のエサとなる食べ物の残りかすがゼロであれば、細菌は理論的には繁殖できなくなるからです。

したがって、多くの人が小さい頃からいわれているように、食後や就寝前にはしっかりと歯磨きをすることが大事な対策となります。

最終更新日 2025年5月15日 by bjackt