これまで家庭で使うエネルギーとしては、電気・ガス・灯油が一般的でした。
これを電気に一本化しようと言うのがオール電化の考え方で、これによって多彩な面でメリットが生じてきます。
目次
深夜電力を使って湯を沸かして保温しておける
まずは灯油に対しては、電気の方がコスト面でも買いにくい手間を考えても、優秀だと言えるでしょう。
灯油は近年の事情を考えればコストが低下する見込みは余りありません。
しかも深夜電力のように時間帯によって安くなるわけでもないので、これもデメリットと言えます。
オール電化では給湯器に灯油を使わず、しかも深夜電力を使って湯を沸かして保温しておくため、エネルギーコストでは優秀 なのです。
また灯油を買いに行く手間も省けるのも、小さくはないメリットでしょう。
ボイラーを使う場合はどれだけ寒くても、灯油が切れたら買いに行って自分で給油する必要があったのです。
これらのデメリットが一気に解決できるのは強みと言えるでしょう。
ガスを使う場合は基本使用料に注意
なお電気式の給湯器は効率が良いシステムを用いますので、エネルギー消費量自体を3割程度削減できるものもあります。
またガスに対しても有利な面があります。
現状ではガス会社も対抗策を用いて電気より低コストに設定しているエリアもありますが、問題は基本使用料です。
ガスを使う場合は基本使用料に注意する必要があります。
このために電気に比べて単価が安くても、基本料金のために支払い額は逆に増える可能性が高いのです。
掃除のしやすさや安全性でもIHにメリットがある
加えて掃除のしやすさや安全性でも、電気を使うIHにメリットがあります。
ガスコンロは火力が強いこともあり、油脂の飛散量が多くて割と部屋が汚れやすいのです。
しかしIHでは汚れが生じにくく、掃除の手間を低減できます。
加えてガス漏れの危険性もないため、安全性で行ってもIHに軍配があがるでしょう。
IHですと一定時間は使わないと、自動で電源が落ちるような仕組みもあります。
このために外出時にガス栓の閉め忘れを気にする必要もありませんし、子供が遊んで火事になるようなリスクも低いと考えられます。
他に火で空気をあたためない為、夏場でも気温の上昇を比較的防げるのも魅力です。
切り替える時には初期費用が必要になる
このようにメリットが多いのですが、切り替える時には初期費用が必要になるので気を付けましょう。
一定額の初期費用を払って、毎月どれくらいの節約効果があるかを見極めることが大切です。
もちろんガス漏れのリスクを防いだり灯油を使いたくない時にはオール電化が便利ですが、節約目的の場合は費用面への配慮が必要となります。
具体的に検討する基準を出すのは難しいですが、ガス代だけで1万円近くかかる時には、前向きに検討した方が良さそうです。
5,000円程度のガス代なら即断はせず、IHの費用対効果と比較して選んでいきましょう。
太陽光パネルは導入コストが低下してきている
なおオール電化を行うのに加えて、相性の良い節約方法が幾つかあるので、こちらも要チェックです。
まずは太陽光パネルですが、専門家のエスコシステムズいわく、現在は技術革新があった他にメガソーラー需要などもあって量産体制が整い、導入コストが低下してきています。
このため従前は太陽光発電に向かなかった家庭でも、イニシャルコストを抑えられる分は採算性が生じる可能性がでてきました。
太陽光発電とオール電化の組み合わせは相性が良く、月々のエネルギーコストを大幅に抑制できる見込みがあります。
もしもの停電時にも太陽光発電があると役立つ可能性があるので、検討してみると良いでしょう。
電気の見える化ができる
他には電気の見える化ができるのも魅力です。
電力の見える化を行うことで消費電力を簡単にリアルタイムで把握できるほか、将来的には自動制御と組み合わせる方法が浸透すると考えられています。
これによって電気の消費量を見るだけではなく、自動制御によって無駄な利用を削減できる可能性があるわけです。
もちろん電気使用量が正確に把握できるだけでも、節電には大いに役立つでしょう。
どのような形で電気が使われているのかを確認できるため、対策が立てやすくモチベーションにも繋がります。
今後の電化製品はIoTに対応するものが増える
なお今後の電化製品はIoTに対応するものが増えると予想されており、オール電化との相性も良いと考えられます。
IoTでは電気の使用量を把握するためのHEMSから電気自動車や給湯器などもネットワークで接続可能です。
このためにスマホやPCからHEMSに指示を送り、太陽光発電で得られた電気を使って給湯機を制御したり、電気自動車に給電するすることも可能となります。
この仕組みは家庭で役立つのはもちろん、将来的には賃貸物件の管理も一新されるかもしれません。
複数世帯が暮らす賃貸物件では、少しずつの電気代節約でも年間を通すと、割と大きな額になってきます。
まとめ
IoTで世帯ごとの電気需要を分析し、効率的に給湯器などを動作させることで、コストの抑制が目指せるわけです。
このように電気に切り替えると色々なメリットが得られます。
導入コストを考えると慎重な判断が必要になりますので、検討の際には一度シミュレートを行ってみるのがおすすめです。
最終更新日 2025年5月15日 by bjackt