最初に親御さんにきちんと分かっていただく必要があるのですが、子供の喘息について、たかが喘息と思ってはいけません。
喘息という病気は、「それなりに重い病気である」とまず理解してください。
実際、この21世紀の日本においてさえ、毎年喘息による死亡者が出ているのです。
最初に脅してしまったかもしれませんが、実は喘息というのは適切に治療すれば、普通の子供とほぼ変わらないような生活を送ることができるようになる病気でもあります。
ですから親御さんとしては、適切な治療をサポートしてあげることが大切です。
とくに、薬の使用方法を間違えますと、かえって症状を悪化させることがありますので注意が必要です。
主にステロイドの吸入薬は、長期管理用の薬です。
起こってしまっている発作そのものを鎮める薬ではなく、普段から長期間使用することで、発作そのものを起こしにくいようにしていく薬です。
こういう薬は、症状がないからといって自分の判断で中止してはいけません。
一方で、主にベータ刺激薬と呼ばれる薬は、今まさに起こっている発作そのものを鎮める薬です。
発作を鎮めるためには欠かせない薬ですが、これを普段からあまりに連用することはかえって喘息を悪化させることが分かっています。
このように、薬だけをとってみても、子供にはなかなか理解しにくい点がありますから、親御さんのサポートは不可欠です。
そのほか、できるだけ発作を起こしにくいような環境を整えることも重要になってきます。
なお、治療の目標は、あくまでも普通の子供とほぼ変わらないような生活を送れること、に置くことが適切です。
いわゆるアレルギー体質そのものまで完治させようとすることは、今の医療では極めて困難ですし、その分の治療費も、子供にとっての負担も大きくなります。
それを目指そうとはせず、上手に喘息と付き合っていく、くらいの気持ちでいて、学校生活、日常生活に支障がでないレベルを目指すことが大切です。
最終更新日 2025年5月15日 by bjackt